ZEH住宅とは?メリット・デメリットをそれぞれ確認しよう!
利便性のよさなどから、つくば市で注文住宅を検討している人が増えています。つくば市で注目されているのがZEH住宅であり、光熱費や補助金などの面から大きなメリットがあると評判です。しかし、デメリットがないわけではありません。今回の記事では、ZEH住宅とはどのような住宅なのかを解説し、その上でメリット・デメリットを紹介しましょう。
ZEH住宅とは?
そもそもZEH(ゼッチ)とはどのような住宅なのでしょうか。その特徴を徹底的に解説しましょう。
■ZEH住宅とはエネルギーに注目した家
ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称です。つまり消費エネルギーを削減し、家で作るエネルギーを増やすことで、作るエネルギーが消費エネルギーを上回ることを目指した家を指しています(消費エネルギー≦作るエネルギー)。一般住宅では冷暖房や給湯、換気や照明にエネルギーを使いますが、家でエネルギーを作りだすことはありません。つまり、エネルギーを消費するだけになってしまうのです。
一方、ZEH住宅はまず省エネ対策として、冷暖房・休養・換気などに使われるエネルギーを削減しています。そのうえで太陽光発電など取り入れ、エネルギーを創出しているのです。ZEH住宅は、環境問題を解決する住宅ともいえるでしょう。
■ZEH住宅の主な特徴とは?
「断熱」と「省エネ」および「創エネ」の3本柱で成り立っているのがZEH住宅です。まず断熱ですが、家で多く消費されているエネルギーのひとつに冷暖房があります。夏や冬では屋内で快適に過ごすためにエアコンを使う家庭が多いでしょう。長時間にわたって使用することになるため、エネルギーの消費はかなりの量になります。
そこで、ZEH住宅では暑さや寒さに影響されにくいよう、断熱性能を高めているようです。断熱材を使用するのはもちろんですが、寒冷地であれば二重窓にするなどして、外気の影響を受けにくくしています。省エネでは、より少ない電力で使用できる機器を増やすよう対策しているようです。たとえば省エネタイプのエアコンや少ないエネルギーで水を温められる効率的な給湯システム、消費電力が少ないLED照明を家全体で使うなどが挙げられるでしょう。
創エネの中心となるのが、太陽光発電システムです。太陽光によって電力を生成する太陽光パネルを家の屋根に設置して、エネルギーを作り出すことになります。そのためには、最新の蓄電システムなども必要不可欠だといえるでしょう。
ZEH住宅の種類について学ぼう!
ZEH住宅は1種類ではなく、3つの種類にわかれています。種類によって補助金などに違いが出てくるため、極めて重要な項目だといえるでしょう。ここでは、ZEH・NearlyZEH(ニアリーゼッチ)、ZEHOriented(ゼッチオリエンテッド)、ZEH+(ゼッチプラス)・NearlyZEH+(ニアリーゼッチプラス)のそれぞれの特徴について解説します。
ZEH・NearlyZEH(ニアリーゼッチ)とは?
ZEHは断熱および省エネルギー率が20%以上であること、さらに創エネ(再生可能エネルギー)を含む省エネ率が100%以上である必要があります。つまりZEHは、年間のエネルギー消費量を0%以下に抑える住宅を指しているのです。
NearlyZEH(ニアリーゼッチ)は、寒冷地や低日射地域など、降雪地域に限定されます。ZEHを見据えた先進住宅とされており、外壁の高断熱化および効率的な省エネルギー設備を備え、再生エネルギーも採用している必要があるのです。
こちらは断熱および省エネルギー率が20%以上であること、さらに創エネ(再生可能エネルギー)を含む省エネ率が75%以上でなければなりません。つまりZEHと比較すると条件を達成するのが難しいため、年間のエネルギー消費量を25%以下に抑えられればよいとされているのです。
■ZEHOriented(ゼッチオリエンテッド)とは?
都市部狭小地の二階建て以上に限定されるもので、断熱および省エネルギー率が20%以上であること、創エネ(再生可能エネルギー)を含む省エネ率に関しては問われません(再生エネルギーを導入しなくてもよい)。都市部狭小地とは「北側斜線制限の対象となる用途地域(第一種及び第二種低層住居専用地域並びに第一種及び第二種中高層住居専用地域)等であって、敷地面積が85㎡未満である土地」(経済産業省エネルギー庁の資料より)を指しています。
■ZEH+(ゼッチプラス)・NearlyZEH+(ニアリーゼッチプラス)とは?
ZEH+(ゼッチプラス)とは、断熱および省エネルギー率が25%以上であること、創エネ(再生可能エネルギー)を含む省エネ率が100%以上でなければなりません。
そして、断熱性能のさらなる強化・太陽光発電等の発電量を把握し、住宅内の冷暖房、給湯設備等の制御を可能にすること・太陽光発電など再生可能エネルギーシステムより電気自動車などに充電可能であること、以上の3つのうち2つ以上に該当する必要もあるため、かなり高性能な機能を有しているZEH住宅といえます。
NearlyZEH+(ニアリーゼッチプラス)は、寒冷地や低日射地域など降雪地域に限定されるものです。断熱および省エネルギー率が25%以上であること、さらに創エネ(再生可能エネルギー)を含む省エネ率が75%以上であることが求められます。ZEH+(ゼッチプラス)と同様に、3つのうち2つ以上をクリアしなければなりません。
ZEH住宅にするメリット・デメリットとは?
ZEH住宅に暮らすメリットやデメリットを解説します。
■ZEH住宅のメリット3つ!
メリットとしては、補助金・光熱費の削減・災害時の電力などを確保できることが挙げられます。多くの肩書にされると思われる補助金ですが、2021年度の補助額はZEH・NearlyZEH(ニアリーゼッチ)が60万円、ZEHOriented(ゼッチオリエンテッド)とZEH+(ゼッチプラス)・NearlyZEH+(ニアリーゼッチプラス)は105万円です。
この他に、蓄電システムの導入で最大20万円、燃料電池で2万円など、細かな追加の補助金が支給されることもあります。また光熱費の削減もZEH住宅の大きなメリットであり、ZEH住宅の種類にもよりますが100%以上の省エネを達成できる住宅であれば、理論上光熱費はかからなくなるのです。
またZEH住宅の多くには蓄電システムなども導入されているため、災害が起きて停電が発生した場合でも、数日であれば普段どおりの日常生活を送れる可能性が高いでしょう。
■ZEH住宅のデメリット3つ!
デメリットには、コスト・発電量が不安定・住宅の形の制限の3つがあります。一般住宅とは異なって断熱素材を使ったり、再生エネルギーに関わる機材などを導入したりするのに、一定のコストがかかるでしょう。とくに太陽光発電システムの導入に関しては、総額で数百万円かかる可能性もあり、大きな負担になる可能性もあるのです。再生エネルギーの中心となるのは太陽光発電ですが、天候によって発電量は大きく異なります。
梅雨の時期や冬に関しては日射量が少なくなり、想定していたほど発電されない可能性もあるのです。また太陽光発電は電力会社に売る、つまり売電ができるわけですが、年々価格が下がっている点にも注目しておく必要があるでしょう。さらにデザイン住宅に住みたい人には、ZEH住宅は適していないかもしれません。太陽光発電のパネルは主に屋根に設置され、家の形状に大きな影響を与えるためです。
ZEH住宅とは、作るエネルギーが消費エネルギーを上回ることを目指した先進的な家だといえるでしょう。メリット・デメリットを把握したうえで、導入するまえに家族でしっかりと話し合ってみてはいかがでしょうか。家は長く住むものなので、長期的な視点で考えることをおすすめします。