2階にリビングを設置すると過ごしやすい?メリットは?
「リビングは1階にあるもの」と多くの人が思っているのではないでしょうか。しかし、実は2階にリビングを設置することで過ごしやすい環境になるということもあるのです。この記事では、2階にリビングを設置することのメリットやデメリットを詳しく解説します。家づくりの参考にしてくださいね。
2階にリビングがあると快適な理由
通常は1階にあるリビング。しかし、2階にリビングを設置することで、快適な空間作りを実現できます。その理由を3つ取り上げます。
1つ目は、日当たりがよく過ごしやすくなることです。日当たりがよいと気持ちよく感じるので、ずっとその場所に留まりたくなるのではないでしょうか。実は、1階より2階のほうが、日の当たる時間が長く風通しもよいというケースが多く見られるのです。そのため、より開放的で明るいリビングに仕上げることができます。
2つ目は、プライバシーを保てるということです。1階にリビングを設置すると、家の中が丸見えになるということがあるかもしれません。とくに住宅が集合している地域だと、道路との距離が近くなりプライバシーを確保することが難しくなるでしょう。また、周囲の音が気になるということも多いのではないでしょうか。
しかし、2階にリビングを設置するとしたら、住宅街であっても外からの視線を避けて快適に過ごすことが可能になります。周囲の生活音もそれほど気にならなくなりますよ。また、場所によっては眺めもよくなるので、窓を開けて景色を楽しみながらホームパーティを楽しむこともできるでしょう。
3つ目は、天井の高さを自由に設定できることです。家を作る場所によっては、法規などで制限がありますが、1階リビングよりも高い天井を設けることや、屋根の形を活かして勾配天井にリビングにすることも可能。より広々とした空間になること間違いありません。
このように、「日当たりのよい家を建てたい」「開放的な空間を作りたい」「外からの視線を気にせず過ごしたい」などの条件を重要視して家を建てる際、2階にリビングをつくることはおすすめできます。
階段が不安?2階ならではのデメリットも
しかし、もちろんデメリットもあります。ここでは、2階にリビングを設置するデメリットを4つ取り上げましょう。
1つ目は、1階部分が暗くなることです。2階にリビングを設置するという予定で設計を進めていると、どうしても1階の日当たりが悪くなってしまうことが多いでしょう。寝室や勉強部屋、子どもの遊ぶスペースなどを1階に配置することを考えているのであれば、どの場所かは、日の当たらない暗い部屋になるという可能性も。どの場所が日当たりが悪くなるかを確認しておきましょう。
2つ目は、階段の昇り降りが大変だということです。リビングは、キッチンやダイニングが揃っています。2階にあるとしたら、買い物の後やゴミ出しに行くときなど、わざわざ階段を昇り降りして行かなければなりません。何度も利用するリビング。重い荷物を持って、何回も2階に上がるのは大変です。
また、お年寄りや小さい子どものいる家庭では、階段の昇り降りが多いと大変かもしれません。さらに、建物を建てたときには問題なくても、年を重ねると足腰に負担が生じてくるもの。家族に「生活の真ん中」といえるリビングを2階に設置するかどうかは、長期的な視点でよく考えたほうがよいでしょう。
3つ目は、玄関までの距離があることです。リビングが2階でも玄関は1階にあるため、下に降りていかなければなりません。たとえば、急な来客があったり宅配が届いたりした場合は、急いで2階から1階に降りる必要があるので大変です。リビングは、家族全員がリラックスして過ごす場所。みんなで集まって、ゆっくりすることも多いでしょう。ゆっくりと過ごしているときに、バタバタして下の階に降りていくことはとても大変。面倒に感じることも多いでしょう。
4つ目は、家族間のコミュニケーションが薄くなりやすいことです。2階にリビングを持ってくることで、家族それぞれの足が遠のき、家族間のコミュニケーション不足になることがあります。子どもたちは通常、学校から帰ってきたらすぐにリビングに直行することが多いでしょう。
しかし2階にリビングがあるなら、玄関から真っ直ぐに自分の部屋に直行することが増えるかもしれません。その結果、家族の間でも顔を合わせることが少なくなり、コミュニケーション不足に陥ってしまう危険があります。
デメリットを解決・解消する方法は?
では、そのようなデメリットをどうすれば解決できるのでしょうか。
まず、実際に2階にリビングを設置した家に住んでいる人に聞いてみることができます。きっとリアルな感想を聞くことができるはずです。そのような人が周りにいない場合は、実際に2階にリビングを設置したモデルルームを見学できます。自分の目で、実際に見て確かめてみるなら、よりリアルにイメージできるでしょう。
2階リビングでの生活をリアルにイメージできるようになると、自分の気持ちも固まってくるでしょう。もちろん、物理的なデメリットというものは完全に避けることはできませんが、それ以上のメリットにも気付くことができるかもしれません。また、2階リビングと相性がよい間取りやプランで設計することもできるでしょう。
具体的にどのような間取りやプランがあるのか、4つの例を紹介します。
1つ目は、奥行きのあるバルコニーをつくることです。ある程度奥行きを確保したバルコニーを設定するなら、庭の代わりに利用することもできるでしょう。できるだけ段差のない地続きのテラスにするのがおすすめです。外まで連続して広がっているように見えるため、開放感を感じることもできます。住宅街の中で視線が気になるという場合には、奥行きのあるバルコニーに、視線を遮るためのハイウォールを設置しましょう。そうするなら、周りの視線をカットしつつも明るさを損なうことはありません。
2つ目は、回遊式のプランを用いることです。家中をグルグル回ることができる回遊式のプランは、空間に広がりを感じさせることができます。できるだけ段差を抑えたデッキテラスと組み合わせるなら、より開放的で広がりのある空間を持たせることができるはず。
3つ目は、吹き抜けのあるリビングにすることです。2階リビングは、天井の高さを自由に設定できます。そのため、吹き抜けにするなら、視線が空に向いて、より視線の抜け感を感じるようになるでしょう。風通しもよく明るいので、吹き抜けのあるリビングはおすすめです。
4つ目は、勾配天井にすることです。屋根の形がそのままの勾配のついた勾配天井。2階にリビングを設定するなら、この天井にすることもできます。とくに、集合住宅地や狭小地などでは有効。斜線制限があっても、天井高を高く確保できるでしょう。しかし、対策を練らないと、夏場はかなり暑く夏可能性があります。その点に注意して検討してください。
2階にリビングを設置するなら、日当たりや風通りのよい開放的な空間をつくることができます。また、家の中が見えにくいのでプライバシーをしっかり保ちたいという人にもおすすめです。しかし、足腰に負担がかかることやリビングに家族が集まりにくくなるなどのデメリットも。2階にリビングを設置したモデルルームを見学するなどして、自分の目で確かめてみることをおすすめします。