頭金なしで注文住宅を建てることは可能?
つくば市で住宅を建築する場合、一括で支払えるならば現金で一括払いにしたほうがお得ですが必ずしも支払える人ばかりではありません。そこで、住宅ローンを組む人が多いわけですが、このときに頭金が必要かどうかが問題になります。
頭金なしでも住宅ローンを組むことができる理由
頭金なしで住宅を手に入れることができるわけがない、と考えられていた時代がありました。ですが、そのような時代は変わり最近は頭金なしても住宅ローンを組むことができるようになっています。なぜそのような流れなったのか注目しておく必要があります。
時代の流れ、つまり景気のことが予想できます。不景気になると、昔のように住宅を購入する家庭でお金を貯めることができなくなってきた傾向があります。住宅を購入する世帯は、20代後半の夫婦から40代前半の夫婦が多いです。特に20代から30代前半に関しては十分なお金を貯めることができる人ばかりではありません。また子供が生まれてしまうと、なかなかお金が貯まらなくなってしまうものです。そうすると、銀行の立場からすれば昔に比べると住宅ローンを利用してくれる人が少なくなっているため、担当者が嘆いていることがわかります。
また、銀行側としても国債の金利が下がってきている傾向があります。日本の国債を購入しているのはほとんどが銀行や郵便局です。そして、今までならば国債の金利も高かったためそれだけ銀行の収益になっていました。ところが、国債の金利が下がってしまったために、銀行の収益がなくなってきている傾向があります。そうすると、住宅ローンの契約を増やすしかありません。そこで、頭金なしで契約できるようにしている銀行が増えてきたわけです。
もちろん銀行側としても、リスクを考えなければいけません。昔のように審査が緩くいろいろな人にお金を貸してしまい、いざというとき回収ができなくなると困ってしまいます。その点、しっかりとした審査をおこなったうえで頭金なしにすればそれほどリスクはないと考えられています。
実際に、頭金をなくして住宅ローンを組み自己破産した人の数は極端に増えたわけではありません。このように考えれば、頭金を一切取らない仕組みも決して悪くないと判断したわけです。このような流れができて十数年が経過していますが、もし本格的に頭金なしで住宅ローンを消費者が借りるとすれば、メリットやデメリットなどを理解しておいたほうがよいでしょう。
頭金を必要としない場合のメリットは一体何か
頭金を必要としない住宅ローンを利用する場合、そのメリットの一つは住宅を比較的簡単に手に入れることができることです。これはどのような意味かといえば、もし頭金が必要と考えればそれを貯めなければいけません。どれぐらいためるかは銀行によって異なりますが、たいていの場合300万円以上の頭金を必要としています。
この場合、それを貯めるのにどれだけ時間がかかるかという話になります。1年間で夫婦が頑張って100万円ずつためた場合3年かかる計算です。そうすると、少なくとも注文住宅の購入を志してから3年間は買うことができないことを意味しています。
この点に関して、足りない分はどこかからお金を借りればよいとの話もあるでしょう。もし、自分の両親などに頼り、それだけのお金を貸してくれる余裕があれば問題ありません。ですが、消費者金融などから借金をしてまで頭金を作るのは妥当ではありません。なぜかといえば消費者金融からお金を借りてしまうと今度は住宅ローンの審査に通らなくなってしまうからです。
住宅ローンの審査は昔に比べると厳しくなっており、他から借り入れをしている場合はじかれる可能性もあるわけです。いずれにしても、普通に考えればお金を貯めるまで時間がかかりますので、自分が欲しかった住宅や土地がほかの人に買われてしまう恐れもあります。ですが、頭金をなしにすればすぐに購入することができるため、注文住宅を建築するときに希望している土地を難なく手に入れることが可能になります。
住宅ローンを組む場合には、住宅ローン控除と呼ばれるものがあります。住宅ローン控除は最大4,000万円の中で1%が戻ってきます。つまり、4,000万円借り入れをした場合、毎年そのうちの1%が所得税や住民税から戻ってくる計算です。これは、その分所得税や住民税を支払なくてよいことを意味しています。
仮に4,000万円借りた場合には40万円ずつ毎年戻ってくる計算になるでしょう。それだけ戻ってくれば、嬉しく感じる人も少なくないはずです。逆に、最初に頭金を入れてしまうとその分だけ戻ってくるお金が減少することになります。例えば、頭金を500万円入れた場合には3,500万円の住宅ローンを組んでいることになります。そのうちの1%になると35万円しか戻ってこない計算です。この点をみれば、間違いなく頭金をなくして住宅ローンを組んだほうがお得です。
頭金なしにするデメリットはどのようなものか
では、頭金をなしにする場合のデメリットはどのようなものでしょうか。一番に考えられるのは、毎月の返済額が増えてしまうことです。頭金を入れる場合には、その分だけ毎月返済の負担が減ることがわかります。ところが、頭金を一切なしにすると借りるときは楽ですがその後完済するまでの負担額が大きくなる傾向があるでしょう。
ある程度余裕がある家庭や、将来的に収入が増えることが確実に予想されている場合は問題ありません。例えば、数年後に両親が亡くなることがおおよそ予想されており、その財産を確実に引き継ぐ場合などです。
この点、将来的に出世をするはずなのでもらえるお金は増えるに違いないと予想をするのはやめましょう。なぜなら、その通りにいかないからです。もしかしたら会社自体がなくなっている可能性も考えられます。そうすると、あいまいな予想で住宅ローンを組んだことに後悔するでしょう。
金銭的な負担が大きくなると、ボーナス払いで住宅ローンを返そうとする人もいます。例えば毎月8万円ずつ支払うとしてそれだけでは35年を超えてしまう場合、ボーナスが入ったときに20万円返済する仕組みなどです。このように、ボーナス払いを当てにすれば比較的無理なく返済ができそうです。
ところが実際は、ボーナスが打ち切られてしまう可能性や、大幅に減少してしまう可能性もありますので、リスクが大きくなるでしょう。それならば、ある程度お金が貯まるまで待ち、少しでも頭金を入れたほうがよいです。やはり、余裕で返済できる金額の場合やそうでない場合でも確実にお金が入ると予想ができるものがあれば安心です。
次に、ローン審査は厳しくなる傾向があるでしょう。頭金をたくさん入れたほうが審査に通りやすくなる傾向があります。なぜかといえば、それだけのお金を事前に支払っておりお金を支払う能力があると判断されるからです。そのため、もしかしたら審査に通らない可能性があることも頭に入れておかなければいけません。
ちなみに、一度審査に通らなければ半年程度から1年程度は審査に通らない可能性が高くなります。そのため、安易に審査をせず不動産会社の担当者とよく相談をすることが重要です。
住宅ローンで注文住宅を建築する場合、最近は頭金なしのプランが流行っています。頭金なしにすることで、欲しい住宅や土地をすぐに購入できるというメリットがあります。それだけでなく、住宅ローンの控除も非常にお得になる傾向があるでしょう。そのような意味においては頭金を必要としない住宅ローンのプランは魅力的です。
しかしながら、頭金をなしにすることで毎月の返済額が増えることや審査が厳しくなることも頭の中に入れておかなければいけません。